お米を守る建築|板倉の知見あれこれ
だいぶ更新が滞ってしまいました...。
今回は「板倉」という木の倉のお話。
クラというと、蔵と倉がある。
米倉、味噌蔵(倉)、衣装蔵。
これは石巻でお話を聞いていた時に聞いたキーフレーズ。クラには様々な役割があるものの、字は体をなしています。
蔵、とは土でできた堅牢なクラ。防御性に優れるためのが特徴。蔵は、基本的には財を守るのが主題。町屋の店蔵や豪農の衣装蔵、土佐漆喰が塗られている蔵などが代表例です。
対して、倉、とは木でできたクラ。起源は穀倉で、弥生時代に遡る。防虫性能の高い、生きるための資源を守るための技術。それが食物を守る倉。
これらはしまうものの他、地域性も反映しています。
例えば、良い土が取れれば、建築は土壁が多くなります。愛知は瀬戸焼や織部焼など、焼き物多いですが、それらは良い土が取れることの証左。愛知以西ではクラは蔵が基本です。
一方で、良い気が取れるところのクラは倉になります。東北は米所ですが、同時に、植物資源に恵まれた地域でもあります。身の回りには森林資源がたくさん。だから、木で、食物を守る倉が発達します。
写真は岐阜の山奥の「種蔵」という、美しい集落。
ちなみにこの「倉」。
時代的欲求に伴い、様々な発展を遂げています。
セイロウ
落とし板倉
貫板倉
繁柱板倉
角寄せ板倉
土塗り板倉
色々ありますね。詳しくは、「小屋と倉」。
月に1つは更新したいですね...。