生きるための知見、ソテツバテ|鹿児島県奄美大島
ソテツバテ。
これは、食糧難の時代を生き抜いた離島の知恵。台風銀座、奄美大島の文化的景観です。
離島の海岸沿い。台風がよく通る地域。
その昔、離島は食糧を得るのがとても大変。だから自給自足が大原則。生きるためにはもちろんコメが必要。だから稲作をする。でも、稲作の収穫は秋なので、その前に大変なシーズンがある。
それは夏場の台風。
もし台風がきたら、稲は全てなぎ倒される。その年の食糧がなかったら、一気に飢饉になる危険性がある。だから、大切な稲や畑を守るため、畑や稲の周りに風に強いソテツを植えた。
と、いうことでできたのがソテツに守られたバテ(ハタケ)、ソテツバテ。
ソテツバテの凄いのは、どれだけ守っても守れない時の備えでもあったこと。想定外を想定した先人の知恵。万が一、ソテツバテでも守れない災害が来た時、ソテツバテの中の作物はなくなる。でも、ソテツ自体は生きている。最終的な危険の際には、食べられる。それがソテツ。
エディブルランドスケープと呼んでいるこのような生活文化。
先人の知恵。