ムラ・アイデンティティ

集落マニアによるブログです。「街の見方を知ったら、街はもっと面白くなる。」

ムラの見方

産業景観ータバコ産業が生み出した集落景観ー|福島県船引町

日本の住居史は、竪穴式住居から始まる。その後も長らくこの住居形式が庶民の住居であった。中世の頃には掘立小屋のようなものが西日本を中心に出てきたと推測されている。この頃の居住の跡は柱のみで、穴を掘っていた時代と比べると、痕跡を発掘することは…

茅葺き民家のマド|茨城県筑波山麓の民家

日本の民家、といって頭に浮かぶのはどこでしょうか? 白川郷?大内宿? おそらく茅葺の家は、なんとなく頭に浮かぶと思う。 今回は、そんな茅葺民家のマドに関するお話。 都市部に住んでいると気づかないけど、茨城の田舎に住んでた時は、身の回りに綺麗な…

ムラはどこに形成されるのか:バイブルとしての「日本の景観」と「図説集落」

災害大国日本。 その中で家が果たしてきた役割は大きい。家は人間を外敵から守るものであり、近代化以前は自然に寄り添って暮らしてきたものでもあった。人はどこに住み、どういう安全性を確保してきたのか。ということは、ムラを考える上での原点とも言える…

大切なものを守る場所「クラ」の知見:宮城県石巻市北上川沿いと岐阜県安八町

近年、身近なものではなくなりつつあるクラ。 自分にとっても原体験としては存在しておらず、例えば鑑定団などのテレビの世界で掘り出し物を見つけられたり、子供向けアニメの世界で閉じ込められたり、といったところが記憶にあるもの。 でも、古くから、ク…

ムラの共通項:三重県尾鷲市の石垣

ムラ歩きで最も基本となる視点は、街の「共通項」探し。 一つのムラでおんなじような特徴が見られたら、それはそのムラの特色かもしれないし、隣り合ったムラでも一緒だったら、それはきっと地域規模での特色なのだろう。 同じ方向の屋根が並ぶ景観。筆者知…

漁村の方位:三重の漁村

1月末に三重と和歌山の漁村を巡った。 東北の漁村はここ3年何度も回って、いろいろな建築を見てきた。 しかしながら、東南海地域に縁が薄く、いままでじっくりと見ることができていなかった。 せっかく昨年から名古屋に居を移したので、どっぷりと東南海の漁…

漁師の家はどこに設けられるのか|宮城県・石巻市侍浜

今回は家の立地の話。漁師の家はどこに設けられるのか?そしてどんな特徴があるのか? 今回の舞台は宮城県石巻市、侍浜。 石巻市は東日本大震災で大きな被害を受けた地域である。 筆者がちょうど大学を卒業するタイミングで東日本大震災が起こり、大学院に進…